第7回北京-東京フォーラムの開催にあたり、中国日報と言論NPOが共同で民意調査を行ったところ、日本に好感度を持っている中国国民は28.6%、つまり70%以上の中国人が日本に対する印象がよくないことがわかった。一方、中国に高官を持っている日本人は更に少なく、20.8%にとどまった。両国国民の感情から両国関係のもろさが浮き彫りとなった。
「2千年の友好、50年の対立」という中日関係の歴史が和は互いに利益をもたらし、対立は互いに傷つくことを証明している。「2千年の友好」は何によって培われていたのか?それは深い文化交流によってだ。「50年の対立」の原因は何か?それは侵略と侵略への抵抗だ。その後60年以上中日両国の国民と政治家は友好関係を回復しようと多大な努力をしてきた。両国国民は偽りのない歴史を学び、とりわけ若い世代は歴史を戒めとし、友好を深める道理を理解する必要がある。
中日関係で繰り返し発生する問題の原因ははっきりしている。中日関係の両国の利益に対する重要性も双方はわかっている。現実的問題は徐々に解決の道を探せるかによって決まる。中日双方が大局から出発し、中日関係を処理する共通認識を持たなければ前途はない。
中日関係はどんな大局観を持つべきか?双方に共通利益がある大きな方面に着眼すること。中日関係に対処する積極的な態度は、▽利益の共通点を開発し、経済構造の相互補完に力を入れる ▽地政学的共通の立場から協力する ▽領土問題に落ち着いて対処 ▽突発事件に慎重に対応し、日本側が釣魚島(日本名・尖閣諸島)船衝突事件を処理した時のように、きついことを言ったり、乱暴なことをしたり、深い傷を負うようなことは避ける――ことと位置づけることができるかもしれない。
さらに、世界と中日の大局を重んじ、中日関係の摩擦を正確に認識・処理し、一時的な関係緊迫によって未来を犠牲にせず、一部の事柄に両国の全体的な関係を左右されないほか、平和的な発展につながる努力をし、問題が激化し緊張が拡大する行動は避けることが、大国である中日両国が取るべき基本的な態度といえる。
中国の平和的発展は最大の国家利益であり、中日関係の共通利益でもある。中日関係に正確に対処することが、両国国民と政治家の歴史に対する責任だ。戦略的角度から問題を処理、主に歴史的、全体的、将来的角度から問題を考え、処理することが唯一正しい活路だ。中日関係は平和と発展の世界的大局に従い、奉仕しなければならない。中日両国は北東アジア、アジア、世界の平和と発展を共に後押しし、それを我々の共通の歴史的責任だと認識しなければならない。(北京-東京フォーラム中国側理事会名誉主席 超啓正氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月25日