第三に、原発の存続問題は日本社会で討論の焦点になっている。これまで民主党菅政権が強行に原発からの離脱を表明していても、差し迫った現実の条件で、日本国内の工業、商業の業界から全体的に強烈な反対意見が出ている。短期的に日本は完全に原発の開発や利用をとめるのは不可能で、一部の原発が耐用年数を超えて使用されている状況も、このまま存続するだろう。この背景には、与野党間に渦巻く政争がある。民主党内部にも分裂の要素があり、この問題は日本の政治闘争の新しい戦場となるだろう。
このほか、新政権はぎくしゃくしている対米関係の修復にも努めなければならない。日本で大震災が起こり、アメリカが被災地で「トモダチ」と名づけた支援活動を展開し、日本でどれほど好感を得ていようとも、実際には日米間の矛盾は何も解消されていない。普天間の米軍基地の移転問題は日米間のもっともセンシティブな問題へと格上げされ、長期化、深層化し、日米双方が簡単に妥協できないところまで来ている。先日、アメリカ副大統領バイデンは中国訪問を終えた後、矢も立てもたまらず日本を訪問し、強行に菅直人首相と会談を行った。このときの目的は、機会を借りて、菅政権以降の日本新政権に徹底的に日米の同盟関係を修正させることにあった。もしかすると、新首相の最初の訪問地はアメリカになるかもしれない。日本政権がアメリカとの関係を重視していることを示し、それから、日本の伝統的保守政治の要望に迎合するために。
まとめていえば、日本新政権は難しいごたごたに向き合い、経済再建という重い仕事に取り組むことに比べても、日本政治に対する国民の信用や支持を取り戻すことのほうがより困難な仕事になるといえるだろう。(上海国際問題研究院博士 陳友駿)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月30日