◇「好男子は兵隊にならない」時代の「受難者」
戦前の歴史観と保守政治の吹聴を旗印とするあるメディアは、「健忘症」にならないよう新首相に注意を促している。同紙は特に、野田氏が2年前に出版した著書「民主の敵 政権交代に大義あり」について提起。その中で野田氏は、「自衛官の息子」であることから小学校時代に受けた苦い思い出についてこう振り返っている。「自衛官の子どもを前に、ある先生は『君のお父さんの仕事は人を殺すことだよ』と言った。当時は本当にそんな雰囲気があった」。
日本の保守系メディアが野田氏の少年時代の苦い思い出を繰り返し引用するのは、新首相の自衛官家庭出身の「屈辱感」と「誇り」を触発しつつ、戦後平和憲法への支持と日本再武装への反対を主張する人たちとの境界線をはっきりさせ、強硬路線を進めてもらいたいためだ。同紙はまた、野田氏の「A級戦犯は犯罪人ではない」という見方と「集団的自衛権」の解釈変更主張を高く評価。
政治の世界に足を踏み入れてからの野田氏の言動をみると、子どもの頃に受けた屈辱的経験が、「A級戦犯は犯罪人ではない」という歴史観、「富国強兵」路線の主張と結びついているのは確かだ。保守世論が野田氏を応援或いは彼に厳しい要求を課すのは、彼が軍人家庭出身であり、その経験から強硬なタカ派の立場を取っているからだ。
日本の保守世論は「松下政経塾」から初の首相が誕生したことにも歓喜し、同塾の保守的立場とタカ派の主張に対する共感と支持を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月20日