五、双方は海上問題について率直に意見を交換した。そして友好的協議と交渉を通じて係争を解決し、南中国海の平和・安定を守る政治的意思と決意を強調し、それが両国の根本的利益と両国人民の共通の願いにかない、地域の平和、協力と発展に役立つことを確認した。両党・両国の指導者は中越の海上問題について恒常的な意思疎通と対話を維持し、政治的、戦略的見地から、適時に海上問題の適切な処理と解決を指導する。
双方は両国が調印した「中越の海上問題解決を導く基本原則に関する取り決め」を積極的に評価し、同取り決めの調印は海上問題の適切な処理と解決にとって重要な指導的意義をもつと考えており、取り決めを真剣に実行に移すため共に努力する。
双方は両党・両国指導者の共通認識及び「中越の海上問題の解決を導く基本原則に関する取り決め」に基づいて、海上問題の交渉の度合いを強め、双方共に受け入れ可能な根本的恒久的解決方法を探し求めるとともに、共同開発問題の積極的な検討と話し合いを含め、それぞれの立場と主張に影響しない過渡的臨時的な解決方法を積極的に模索する。
双方は北部湾湾口海域の境界画定交渉を着実に進め、同時に同海域の共同開発問題を積極的に話し合う。海洋環境保護、海洋科学研究、海上捜索救援、石油・天然ガス探査・採掘、減災・防災各分野の協力を積極的に推し進める。
海上の係争が最終的に解決されるまでは、双方は南中国海の平和・安定を共同で守り、冷静さと自制を保ち、紛争を複雑化、拡大化させる行動をとらない。いかなる敵対勢力が両党・両国関係を破壊するのも許さず、また問題が生じたときは建設的な姿勢で処理し、それが両党・両国関係と南中国海の平和・安定に影響を及ぼさないようにする。
六、ベトナム側は確固たる姿勢で一つの中国政策をとり、〈台湾海峡〉両岸関係の平和的発展と中国統一の大業を支持し、「台湾独立」を企てるあらゆる形の分裂活動に断固反対すること、ベトナムは台湾といかなる公式関係ももたないことを重ねて表明した。中国側はベトナム側の上記の立場を称賛した。
七、双方は、引き続き両国外務省の交流・協力を拡大し、両国外務省の外交協議をよく実施し、両国の国連、世界貿易機関(WTO)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、アジア欧州会議(ASEM)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、中国―ASEAN、ASEAN―中日韓、東アジアサミット、大メコン圏地域(GMS)協力など国際、地域実務における意思疎通、協調と協力を強化し、地域と世界の平和、安定、協力、発展と繁栄を共に守り、促すことを重ねて表明した。
八、グエン・フー・チョン書記長は胡錦涛党中央総書記・国家主席並びに中国共産党、中国政府及び人民の温かく友好的なもてなしに心からの謝意を表し、胡錦涛党中央総書記・国家主席が再びベトナムを訪問するよう招請した。胡錦涛総書記・主席はこれに謝意を表した。
2011年10月15日北京にて (完)
「新華網日本語」より