日本とインドが全面的に南中国海に介入する姿勢をみせ、フィリピン、ベトナムなどの国もそれに応じている。両者はいずれも事態を混乱させるが、その程度は異なる。
相対的にみると、日本は生死の利益に関わる。
日本は北東アジアという相対的に閉鎖的な地域に位置し、北はロシアと北方領土問題を抱え、西は中国や朝鮮、韓国と歴史が残した領土問題のほか、日本の侵略による民族感情的な問題を抱えている。中国とは東中国海において地理的な戦略利益の対立があり、東は日米同盟は緊密にみえるが、米国は唯一日本に原子爆弾を投下した国で、双方はいまだ真の信頼を築けていない。
日本の資源不足を考えると、南中国海は日本が世界に打って出る欠かせない海域で、その戦略的利益への欲望は言わずとも知れている。今日、世界情勢は大きく変化しているが、日本のこうした地政的な苦しい立場およびこうした立場から抜け出そうとする日本の思惑は変わっていない。
日本は中国の「強硬な主張」抑制を言いがかりに南中国海に再び介入し、フィリピンやインドネシアもそれに応じた。実際それは南中国海各国にとって狼を部屋に引き入れるようなものだ。周知の通り、日本が南中国海に介入する前提条件として一連の島嶼を踏み台にしようとしている。台湾はその最初の目標だ。そのため日本は長年台湾から目を離さなかった。1972年の中日共同声明で、日本は台湾は日本領ではないと認めたが、台湾が中華人民共和国の領土であるとは認めなかった。日本は南中国海に再び進出するための下準備をしていたのだ。将来日本が台湾を足場としたなら、次の踏み台はフィリピンに違いない。