皮肉なのは、今回日本の南中国海への門を開いたのは当時太平洋戦争で最初に被害に遭ったフィリピンであることだ。戦後、極東で築かれたヤルタ体制は東南アジア諸国に平和を保証する体制である。この体制は台湾の主権を中国に返還し、その役割は日本の南中国海進出を抑えることにある。同体制の法的保障は即ち日本の平和憲法に等しい。現在の平和憲法はほぼ有名無実となり、一部の東南アジア諸国はひより見主義で日本に南中国海の門を自ら開き、結果、極東地域の平和を保証するヤルタ体制に穴をあけた。東南アジア諸国にとってこれは自ら墓穴を掘ったことになる。
日本と違い、インドの介入は単なる野次馬でしかない。インドの安全保障の命綱は南中国海ではなく、インド洋だ。1902年にロシアをけん制するために日本を抱き込んだ英国の外交戦略をまねているにすぎない。東部から中国をけん制するのがねらいで、南中国海に実際の戦略的価値は置いていない。ペルシャ湾を擁するインドが南中国海の石油や天然ガスに興味があるとは思えない。
それに比べ、日本の生命線は南中国海で、歴史的に台湾を実際の支配下に置いた経緯がある。将来、日本が「台湾独立」勢力の台頭を支援したなら、それに続いて東アジア全体の災難が待ち受けているだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月18日