「なぜ南中国海問題が最近取り沙汰されているのか?これは人為的なものだ。この問題を扇動しているのは少人数なのか、域外勢力が活動しているのか、誰もがわかっている」―――中国外交部の崔天凯副部長は10日、日本の南中国海問題介入についてこう語った。これについてあるメディアは、中国の核心利益に関わる南中国海問題に介入しないよう中国が日本に警告したと伝えた。つまり、中国は日本の行為に反撃する手段があるということだ。
昨年中日の船舶衝突事件発生後、中国政府は必要な反撃措置を講じると表明するや、日本政府は中国との関係回復について緊急に検討した。あれから1年、日本はまたも中国の核心利益に関わる問題に足を踏み入れた。日本は崔副部長の意味深長な言葉をよく考えるべきかもしれない。「日本は慎重に事を行い、歴史的要素を十分に認識し、現実を十分に比較判断した上で、何が日本にとって国家利益なのか判断する必要がある」。
◇日本を抑える経済的手段
貿易分野において、中国の重要性は言うまでもない。09年以降、中国は米国に代わり日本最大の輸出国となった。その輸出額は大まかに見積もっても40%を上回る。10年、中国の対日輸出額は1210億6000万ドルに上り、対日輸入額は1767億1000万ドルで、中国側の赤字は556億5000万ドルになる。中日貿易において中国側の赤字がずっと続いている。
金融危機が世界を席巻後、世界経済は不景気に見舞われたが、中国市場は依然として安定した成長を維持している。10年末までに日本の対中投資項目は累計44163件、実際の投資額は737億7000万ドルだった。10万社以上の日本企業が中国市場に依存している。3月11日の東日本大震災後の再建は、さらに中国の協力が必要とされている。吉林で開かれた中日経済協力会議2011では、宮城県の村井嘉浩知事が「復興が実現できるかは経済を回復、活性化できるかにかかるといっても過言ではありません。この目標を実現するには中国との経済交流促進が不可欠です」と強調した。
商務部研究院の日本問題専門家、唐淳風氏は「世界新聞報」に対し、「日本の経済回復は中国と切り離せない。中国市場は世界市場の4分の1を占める。中国市場を失えば、日本企業は生きられなくなる。こうした点で、日本の南中国海への介入に反撃する手段を中国を手にしている。ただ、中国はまだ経済制裁を加える必要はない」と指摘。「日本企業は中国での業務が非常に多く、多くの日本企業が経営過程で増値税、関税、所得税など脱税を行っている。中国側は合法的な措置で日本企業の中国における業務を規範化するだけでいい。例えば、日本企業に対する税徴収管理強化、違法行為の徹底調査をするだけで日本にショックを与えることができる」という。
日本の中国に対する依存は貿易だけではない。資源の少ない島国・日本は中国の様々な資源に対する需要が非常に高い。レアメタルに関する統計によると、日本のレアメタル輸入量の半数が中国からで、レアアース資源となると83%を中国から輸入している。日本国際未来科学研究所の浜田和幸代表はかつて、「日本の製造業で一旦レアメタルの原料供給がストップしてしまうと、日本の経済には深刻な打撃で、国家の安全保障まで危うくなる」と述べた。
昨年、中国がレアアースの輸出規制を行ったため、三井物産などの総合商社は中国から割れたガラスなど「廃棄物」を輸入し、その中からランタンやセリウムなどの希土類元素を抽出した。
◇日本の最大の懸念は中ロの協力