■米国の停滞が日本に機会を与えた
米国は現在経済危機の最中にあり、特に対外戦略は相対的な停滞期にある。米国が自国の戦略目標を実現するためには、いわゆる「同盟国」から一層の努力を引き出さなければならない。これは日本にとって千載一遇の好機だ。日本はこの好機を捉え、一見常識に反する事を成し遂げもした。歴史を見ると、確かに日本はかつて「外的脅威論」を誇張宣伝するやり方で、少なからぬ利益を得た。たとえば第二次世界大戦終結時、米国は日本の経済水準を低くし、日本国民の全体的な生活水準をアジアの平均以下に抑えようと考えた。だが冷戦の勃発を受けて、日本への束縛を緩めたのだ。この間、日本はいわゆる「ソ連脅威論」を公然と誇張宣伝し、これを口実に軍事力を強化し続けた。これは米国に日本への制約を次第に緩めさせ、日本全体の国力水準を急速に高める結果にもなった。
現在の状況を見ると、日本は旧劇を再演して「普通の国」へ踏み出そうとしている。日本は一定の影響力を持つ国であり、こうした口と腹が違うやり方が目的を達成できるとは限らない。だが、こうしたやり方は今まさにアジア、さらにはアジア太平洋地域全体の環境を悪化させ、この地域に緊張をもたらしているのである。
「人民網日本語版」より2011年10月25日