(3)劇場型選挙 vs 理性的な選抜
中共中央は少し前に、党代表大会代表選挙の開始を発表した。中国の幹部は様々な層、視点、方法によって育成・選抜される。何重もの育成、評価、選抜、抜擢、任命によって、中共は生命力と活力を維持し、海外の中国学者がこぞって称賛する「適応性と変化への対応能力を備えた政党」となった。これと対照的に、西側諸国の大統領選は劇場型を強めている。候補者の討論、偶然の結果などが、サッカー・ワールドカップのタコ「パウル」のように、メディアによって故意に大きく取り上げられる。第三世界の一部の国がはるばる海を越えて民主の経験を学び、踏襲するのも往々にして大統領選という民主の外的形式だ。
(4)英雄のいない時代は悲しいが、英雄を渇望する社会は不幸だ。
クリントン元米大統領は先日、大統領の任期を2期までに制限する法律は不当であり改正すべきだとメディアを前に不満を述べた。自らの政界復帰への下準備との見方は否定したが、考えさせられる発言だった。オバマ現米大統領の苦境、イタリアのベルルスコーニ首相の退陣などを考えると、バブル経済時代にもてはやされた「政治CEO」「社長首相」タイプの権力者にもう魅力はないようだ。歴史を振り返ると危機の時期、動揺・変革期には決まって英雄的指導者の出現が待望された。これと反対に、現在の世界は各国の全面競争の世界であり、国家の発展をごく一部の政治家の個人的魅力や能力のみに頼るべきではない。グローバル化時代には大きな戦略と長期的計画が必要だ。今度の世界政治のオリンピック競技大会は、政治家の度量と視野を試すだけのものではなく、それよりも各国の戦略思想と発展モデルの競争であるということは言えるかも知れない。
「人民網日本語版」2011年11月18日