警告:「アジア世紀」は「アジア悲劇」の始まり

警告:「アジア世紀」は「アジア悲劇」の始まり。 冷戦終結後、アジアの戦略環境は大きく改善、中国とASEAN諸国との間には非常に強い信頼・友好関係が築かれ、外界でも広く賞賛を得ている。しかし、ここ最近、米国のアジア太平洋地域「回帰」に伴い、ASEANの対中姿勢や行動に、微妙な変化が出てきている。。「アジア世紀」も外部勢力により、アジア各国間の混乱と引きずり合いの中、最終的に「アジア悲劇」と化してしまうだろう…

タグ: ASEAN 米国 アジア 回帰 中国 独立

発信時間: 2011-12-04 09:21:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

3つ目の問題は、ASEAN加盟国はそれぞれの理想を抱く、いわゆる「同床異夢」の状態で、ASEAN発展に専念しているわけではない。伝統的なシンガポール、マレーシア、インドネシアの「トロイカ」の中で、ASEANに強い熱意を持っているのはシンガポールだけで、マレーシアはマハティール・ビン・モハマド前首相離任後、ASEANへの興味が薄れ、インドネシアはG20加盟後、ASEAN熱は冷めたものの、ASEANリーダーとしての「政治資本」は必要なため、ASEAN解散は困るというジレンマを抱え、その態度は曖昧なものとなっている。「新参者」のベトナムは実に日和見主義者であり、ASEANを国家利益及び大国政治抱負を実現するためのツールと見なしてはいるものの、実際には米国、インド、ロシアなどの大国と友好関係を築き、その中で、「バランス・オブ・パワー(勢力均衡)」役を担うことに対し、強い関心を抱いている。

独立自主の固持、発展への集中力、大国との安定的関係の維持なくして、ASEAN成功は語れない。過去10年間におけるASEANと諸大国の関係の中で、最も成功したのが中国との関係である。しかし、最近のASEANによる一連の行動は、外界に消極的なシグナルを発し、中国に対する「危険なバランス・オブ・パワーゲーム」が始まったことを示している。この主体的且つ急激な戦略調整により、ASEANが長い間回避してきた「中米究極の選択」の戦略苦境が見え隠れし始めている。

もし、ASEANが内部の団結を維持できず、外部の挑発に乗って「バランス・オブ・パワーゲーム」に介入すれば、ASEAN分裂か、区域外の某大国の従属国と化すか、大国間トラブルの犠牲品となる等のリスクが生じるだろう。ASEANの政治エリートたちは真面目に反省し、改めて政策を選択する時期に直面しているといえる。

(著者:中国人民大学国際関係学院金燦栄副院長、中国現代国際関係研究院董春嶺研究者)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月4日

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