改装中の空母。完成後は科学研究・実験と訓練に使用される。
日本のオンライン誌「ザ・ディプロマット」に先日、「世界へ広がる接近阻止戦略」と題する記事が掲載された。以下はその要旨。
紛争地域への仮想敵国の進入を遅らせ、または阻止する兵器システムの開発に向けた中国の努力は、すでに世界各地の安全保障専門家が詳細に述べている。「接近阻止」と「領域拒否」または「A2/AD」と称されるこの戦略は、いずれも対艦ミサイルが柱となっている。こうしたミサイルは陸地、海面、または空中から発射され、敵軍の水上艦に甚大なダメージを与えることができる。新しい技術ではないが、すでに有効射程が大幅に伸びており、精度、発射までのスピード、有用性も同様だ。このため、このシステムに対する防御は軍事計画立案者にとって大きな難題だ。
米軍は中国の挑戦に対応するためアジア太平洋地域で装備を再編しているが、別の問題にも直面しているように見える。それは他の国々もA2/AD戦略に着目し、採用していることだ。
日本の学者・山口氏は今週本誌に掲載した記事で、米韓両軍との衝突が発生した場合に朝鮮の講じうる非対称戦略について論じている。この戦略には潜水艦、特殊部隊、対艦ミサイルが含まれると彼は指摘する。
朝鮮の対艦ミサイル技術は現時点では、米韓両軍にとってほとんど脅威ではない。だが先月の実験では、朝鮮の対艦ミサイルがソビエト時代の古い爆撃機から発射された。こうしたミサイルは小型巡視船や戦時に韓国へ物資を運ぶ商船には脅威となる。