美しいメコン川
メコン川流域の6カ国は今まさに開発の争奪戦に巻き込まれているが、これは米政府とその同盟国、日本と韓国に同地域でますます強まる中国の影響力をけん制する意図があることを示すものだ。米インターナショナル・ペーパーが報じた。
アジア開発銀行(ADB)の大型計画である大メコン圏開発計画が実施20周年を迎えるに伴い、こうした慌しい状況がますます際立ってきた。1992年に計画が実施されて以来、投資はすでに140億ドル近くにのぼる。ADBの地域協力チーフエコノミストの馮予蜀氏は同地域のメディアのために先ごろ開催した専門フォーラムで、「中国政府は大メコン圏開発計画を非常に重視している。これは中央政府がこの地域において多角的な接触を強化するためのもう1つのルートであり、中国は今年の大メコン圏の閣僚級会議を主催する」と強調。計画に基づき、過去に戦争で幾重にも分裂したこの地域で、交通やエネルギー、電気・通信、環境、農業、観光など多分野にわたる220件のプロジェクトが展開されている。
だが、この地域にはさらに別に国際的な開発計画がある。米政府のメコン川下流域計画、日本のメコン川パートナーシップ、韓国のメコン川開発協力計画だ。
メコン川地域の発展を研究しているアナリストは、新たな計画はADBによる開発計画の独占に挑戦するためのものに過ぎないと見る。また地政学的な影響もある。これらの計画はいずれも中国を排除しているからだ。
日本の非政府組織「メコン川オブザーバー」の顧問、土井寿行氏は「日本が07年からメコン川地域での開発にますます多く参与するようになったのは、外務省の自主的な計画によるものだ。彼らの重点は中国に身を寄せながら、中国を排除することだった」と指摘。