美しいメコン川
さらに土井氏は「外務省はこの地域でますます拡大する中国の役割に強い不安を感じている。彼らは事を画策して参与することで、中国の拡大を続ける影響力をけん制しなければ、と考えている」と話す。
日本はこの地域の東部から西部にかけて貿易・インフラ整備を強化するため、09-12年に65億ドルを投資して開発を援助することを確約。同時に、韓国も昨年10月、メコン川地域で鉄道輸送を再開することを柱とした開発の青写真を策定した。
ワシントンとの関係が修復したことで、ミャンマーが米政府のメコン川下流域計画に参与することになった。クリントン国務長官が昨年12月に東南アジア諸国を歴訪した際、ミャンマーに計画への参与を要請。この計画は毎年2億2000万ドルを投じて環境や衛生、教育、インフラなどの開発・整備を進めるというものだ。
こうした競争により利益をめぐる不可避的な衝突が生じるのではないか、心配を禁じえない。バンコクの法政大学後方支援研究センターのバンモンロン主任はこう話す。「私たちは今、高圧的な攻勢を目の当たりにしており、こうした計画には交錯する、重層的な危険性がある。中国をけん制しようとしても、メコン川流域諸国の利益が最優先されなければならない」と強調する。
同流域の後方支援問題の専門家も「いろいろな計画を策定するのは構わないが、問題は協調性だ。われわれは重複した計画など見る気もない」と不満を表す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月7日