米国訪問を控えた習近平国家副主席は7日、バイデン米副大統領と電話会談を行った。習副主席は「米側と中米関係及びその他重大な問題について幅広く、踏み込んで意見交換し、共通認識を打ち固め、深化するとともに、『中米は共に困難を乗り越え、協調・協力を強化する』というプラスのメッセージを外部に伝えることを期待している」と述べた。
習副主席のこのたびの訪米は、承前啓後、協力強化、信頼向上の旅と言える。訪米は敏感な時期にあたり、議題は多岐にわたり、中米関係の未来が焦点となる。
近年、中米両国関係は全体的に積極的かつ安定な発展を見せている。しかし、米国国内の政治は大きな変化を遂げ、政治の分極化が進み、社会の不安がぬぐえない状態だ。米国内では21世紀初めの10年を「失われた10年」とする考えも生まれている。反テロにばかり注目し、新興国の台頭防止をおろそかにしているうちに、中国は「財産の世界地図」を塗り替えてしまった。米国は経済が困難に陥ったり、何かうまくいかないとすぐに他人のせいにする。特に今年は米大統領選の年であり、選挙争いがヒートアップするに伴い、「中国を攻撃」することで政治的資本を得ようとする傾向が徐々に高まっている。
米国は昨年下半期以降、経済貿易、人民元レート、投資環境などの問題で中国に圧力をかけ、「アジア回帰」を大々的に打ち出し、戦略の重点を東に移し、「太平洋の世紀」を「米国の世紀」にしようとしている。また、対中国の防備は徐々に顕著化しており、中米両国間の戦略的な猜疑心は弱まったことが無い。
21世紀の新たな10年を迎えた今、国際的なパワーバランスは相対的に均衡の取れた方向へと向かい、国際秩序の変革もスピードアップしている。中米関係はすでに新たな歴史の出発点に立った。
気候変動、環境、反テロ、核拡散、公共衛生、エネルギー・資源、インターネットセキュリティ、国家間犯罪、自然災害----。世界的な問題は日に日に顕著化している。金融危機が社会深層にもたらした影響は持続しており、国際・地域情勢における重要問題の影響は変化しやすく不安定で、世界経済管理メカニズムの改革と改善が待たれている。世界経済が下り坂に向かうリスクは増し、新興国もその被害を免れるのは難しく、保護主義の亡霊が見え隠れしている。これらの試練に効果的に対処するためには、中米の提携・協力が絶対に欠かせない。