2月9日、国連安全保障理事会でシリアのアサド大統領に対する非難決議が否決。米国などの西側諸国は、シリア情勢に対し「プランB」を採択する方針であることが明らかになった。イギリスとカタールの特殊部隊は既にシリアでの戦闘に参加しており、一方、シリアの同盟国であるイランは1万5000人の精鋭部隊をシリアの主要地域に派兵し、混乱の沈静化を行っている。アラブのメディアは、シリアの情勢が既に「非常に危険」な状態にあると指摘している。
西側諸国「プランB」採択
「プランB」とはつまり、米国などの西側諸国が国連枠外での連携を取り「シリア情勢の解決」を行うというものである。
「プランB」のステップ1は、貿易相手国への圧力強化によるシリアの全面的な封鎖であり、これは外交手段を利用した「人道的な無差別攻撃」である。それによりシリアのアサド政権の勢いをくじき、政権維持を根底から揺さぶる。具体的には、駐シリア大使の全面的な撤退や、シリアに対するマスメディアの攻撃などである。そしてステップ2は、シリアの反体制派を支持し、武器や軍事装備を提供、政府軍との戦闘に加担することである。ステップ3は、シリアにおいて人道主義に基づいた軍事的介入ができ得る状況をつくることである。
イスラエルの情報によると、シリアでの戦闘には既にイギリスとカタールの特殊部隊が参加している。現地の反体制派部隊の訓練や指揮を支援し、西側諸国が軍事介入するための土台作りを行っているという。
また、9日付のアラブテレビ局によると、イランがモーリタニア・ イスラム共和国に駐屯している1万5000人の精鋭部隊をシリアの主要地域に派兵し、混乱の沈静化を行っているという。
アメリカの専門家は、国際社会の意見が分裂していることの他にも、シリア情勢は複雑な要因を多々抱えている。一つに地形上から言えば、リビアの場合は攻撃しやすかったが、シリアは難しいということ。次にシリア周辺の各国が軍の突破口になるのを望んでいないということ。これはたとえ隣国のトルコでも難しい。三つ目にシリアの反体制派の軍事力が、カダフィに勝利した当時のリビアの反体制派の軍事力に遠く及ばないことである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月10日