王海運(元駐露武官):米国はわれわれの周辺で各国を焚き付けて徒党を組み、混乱を引き起こし、われわれの壁を掘り崩している。わが国の台頭を抑え込もうとの企てを日増しに顕わにし、わが国を封じ込める動きを活発化させている。中国は急速に台頭する新興の大国、共産党が政権を握る社会主義国であり、独立自主の外交戦略を堅持している。中米間のこうした構造的矛盾が中国の台頭を抑え込むという米国の戦略的方向性を決定しており、これが根本的に変わることはあり得ない。米国は依然として中国との協力パートナーシップの発展を声高に叫んでいるが、実際に行っているのは別の手だ。われわれは「米国との戦略的関係の発展」という非現実的な幻想を抱くわけにはいかない。「自国の利益のためだけに仮想敵国を作り上げてはならない。『オオカミが来た』は克服しなければならない」との声があるが、これは完全に是非があべこべだ。われわれはダチョウになって、自他共に欺くわけにはいかない。
銭文栄(新華社世界問題研究センター研究員):米国の戦略的重心の東へのシフトは、覇権的地位を維持する世界戦略上の必要によるものだ。今後20潤オ30年間、米国は唯一の超大国であり続ける。すでに戦略的重心の東へのシフトはほぼ実現したが、所期の目的を完全に実現するのは困難だ。アジアのどの国も中国と対立することが自国の利益になるとは考えていないからだ。アジア諸国はアジア地域における米国のプレゼンスを望んでいるが、中米がアジア太平洋地域で対立することも、完全に米国の側に立って中国に反対することも望んでいない。
楊民青(新華社世界問題研究センター研究員):米国は世界戦略上は中国を「戦略的パートナー」「潜在的敵」と位置づけ、軍事戦略上は敵と見なしている。米国は世界戦略上、国やイデオロギーを問わず、米国に挑戦する、または取って代わるいかなる対戦相手も許さない。