----アジア太平洋地域における大国の角逐をどう見るか
■拉薩・瑪哈他諾博氏
中国は発展を続ける経済国だ。タイなどASEANの大多数の国々は中国の台頭を脅威ではなくチャンスと見なしている。特に自由貿易協定の発効以降、ASEAN諸国と中国との経済関係は一段と緊密化した。中国は経済的台頭によって、周辺国との友好的な外交関係の発展を一段と容易にした。米国の「アジア回帰」政策はアジア太平洋地域の平和・安定に役立たない。米国のこの政策に対して、アジア太平洋諸国は完全に歓迎しているわけではなく、注意深く慎重な姿勢の方が目立つ。
■李煕玉氏
台頭は全ての国が望んでいるのだから、一国の台頭を脅威と見なすのは誤っている。地域の視点で見ると、中国の台頭は新たな機会をもたらし、市場を拡大した。中国は国際社会に貢献し、ソフトパワーを通じて魅力の攻勢を強化した。経済について言えば、米国などで金融危機が発生しても中国経済は発展を続け、「危機」を「機会」に転じる環境を創出した。
■山本吉宣氏
日本は米国と同盟国だが、最大の輸出相手国はすでに中国に変わった。経済では中国との関係が緊密で、安全保障上は米国と協力している。韓国も似た状況だ。日韓などにとっては、こうした経済と安全保障を異なる国に依存している現状にどう対処し、軍事的競争や対立が経済関係の発展に影響を与えぬようにするかが、慎重な検討を要する問題となっている。
■瓦蒂・克納普氏
米国の「アジア回帰」戦略が各国に与える影響は全て同じというわけではない。政治は可変的要素に満ちているが、唯一不変なのは各国自身の利益というのが歴史から導き出せる結論だ。したがって米国の「アジア回帰」が地域の国家関係にどのような影響を与えるか、刮目して待つべきだ。米国と中国がアジア太平洋地域の安全を共同で守ることができれば、世界全体の利益となる。
■オストロフスキー氏
米国はこれまでアジア太平洋地域から離れたことはなく、早くから日本、韓国、オーストラリアなどアジア太平洋諸国と同盟関係を結んでいる。アジア太平洋地域が世界の経済の中心となりつつあるのを見て、以前に増してこの地域を重視するようになったに過ぎない。
「人民網日本語版」2012年4月6日