米最大のニューポート・ニューズ造船所で先月24日、フォード級スーパー空母の最後の一部、バルバス・バウが組み立てられた。この日は米最新型の原子力航空母艦にとって重要な一里塚となった。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、フォード級空母は米国がさらに半世紀にわたる海軍の覇権を確保するための期待を背負っていると伝えた。米海軍のアジア太平洋への兵力増加、中国海軍の近代化を考えると、中国の空母がフォード級空母というこの強敵とアジア太平洋で相まみえるのは避けられないだろう。
米シンクタンクのランド研究所東アジア安全保障問題の研究員は、「1995年や2000年ごろは空母が直面する脅威はまだ非常に小さかったが、今では脅威がかなり深刻で、新たな複合的脅威も浮上している」と指摘する。昨年、当時のゲーツ国防長官が中国を訪問中、中国は新型ステルス戦闘機の試験飛行を行った。このJ-20と呼ばれる戦闘機は日本やグアムの米軍基地を空襲できる。米海軍は苦労して開発した「スーパー空母」が中国の対艦弾道ミサイルやJ-20ステルス戦闘機の攻撃を受けるのを懸念している。
中国の軍事力向上にともない、西側諸国はここ数年、中国の「潜水艦の脅威」や「ステルス戦闘機の脅威」を叫び、米海軍の空母が当然目標で、「被害者」となると騒いでいる。しかし実際のところ中国の軍事力はわざと誇張されている。米海軍情報局はかつて、中国はまだ新型対艦ミサイルで米空母や他の艦船を攻撃する能力を備えていないと表明した。太平洋地域の軍事構造について詳しい米海軍の退役将校らも、「空母時代の終結」を論じるのは時期尚早としている。米空母艦隊にはイージス艦をはじめ、対潜巡洋艦、攻撃型潜水艦などの護衛兵力だけでなく、フォード級空母に装備される艦載機や無人機も極めて高い制空作戦、対海攻撃の能力を備えており、来襲した戦闘機やミサイルが空母周囲の防御網を突破するのはかなり難しい。空母への攻撃はそう容易ではないことがわかる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月7日