ロシア、中国と中央アジア4か国で構成する「上海協力機構(SCO)」の合同軍事演習が8日から14日まで、タジキスタン北部で行われた。コードネームは「平和の使命2012」で、テロ対策を目的としたもの。14日の中国共産党の機関紙、人民日報が伝えた。
SCOは6、7両日に北京で首脳会議を開催したばかり。SCOの過去10年の目覚しい成果が国際社会から高く評価され、今後の発展に一層熱い視線が注がれている。
一方、軍事同盟化することを懸念し、SCOを米国など西側諸国に対抗する「東のNATO」とする声も上がっている。こうした声には誤解や付和雷同もあれば、意図的な吹聴もある。
NATOは典型的な軍事・政治同盟だ。冷戦終結後は、冷戦の産物として今なお存在しているだけでなく、さまざまな形に姿を変えている。東西の対立を背景に設立されたNATOとは違い、SCOは、1994年に国境地域での兵力削減など信頼構築を目的として創設された5カ国の枠組み「上海ファイブ」が、次第に政治、経済、安全保障、文化など幅広い分野に拡大し、地域協力機構となったものだ。
国際世論には、SCOが持つ軍事的機能を誇張し、ほかの分野における幅広い成果を軽視する見方がある。実際のところ、SCOの協力はさまざまな層や形で展開されており、テロリズム・民族分裂主義・宗教過激主義の抑え込みにしても、交通・運輸・エネルギー・法執行などの分野にしても、目覚しい成果を収めている。加盟国間だけでも、貿易総額と経済総量は世界全体の13%に上る。SCOの創設および発展によって加盟国の各分野での共通利益が拡大したことは紛れもない事実だ。NATOのように拡張を続け、域外で武力を行使し、世界の隅々まで目を光らせてはいない。