日米韓が中国の近海で軍事演習を予定している。米国防総省は13日、「日韓と合同で海上軍事演習を行う。同演習は6月21−22日、朝鮮半島南沖で実施される」とする声明を発表し、「同演習はいかなる国家の領海も侵犯しない」と強調した。
同演習終了後、米韓は6月23−25日に黄海で、空母を出動させる軍事演習を実施する予定だ。一部の報道はこれらの動きに対し、「韓国はこれまで日本との合同演習に消極的であったが、何を理由に今回の態度の変化に至ったのか。一連の軍事演習は、北東アジアに何をもたらすのか」と懸念している。
軍事評論家の尹卓氏は、米国の同演習の目的は明らかだとし、「朝鮮に対する威嚇と、日米韓が堅固な同盟関係を築いていることを中国に伝える目的がある」と指摘した。日米韓の同演習の政治的意義は、軍事的意義を上回る。米国は日韓を巻き込むことで、北東アジアにおける「アジア版NATO」の形成を推進し、朝鮮半島に対する干渉の強化に向け、日韓(特に韓国)からの支持を得ようとしている。3ヶ国は今後、朝鮮半島に対する行動で団結を強めるだろう。この動きは朝鮮に向けられたものであるが、中国側の出方を伺う意味の方が大きい。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権はこれまで、日米との合同軍事演習に意欲的であった。しかし同政権は国内の政治勢力から「売国奴」と非難されることを懸念し、日本との合同演習に消極的な態度を示していた。しかし李明博大統領は政権退陣を控えており、政治的な懸念が解消されたため、今回の演習に踏み切った形だ。同演習は、今後の日米韓の軍事同盟関係に対して、有利に働くと見られる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月15日