敗戦後、日本は過去を振り返る絶好の機会を得たのだが、別の極端な道を歩み出してしまった。かつては軍事力を求めていたが、敗戦後は米国に追随し、「エコノミックアニマル」となってしまった。この両極端のうち、日本は重要な点を忘れていた。日本は西側諸国の先進的な思想と制度の現地化を図らず、ただ機械的にそれを持ってきただけなのだ。
過去20年間は、日本にとって迷走の20年間だった。戦前の右翼による極端な思想が抑制されず、むしろ拡大を見せた。小沢氏の語る「日本式の二大政党制」も、この時期に提案された。日本の社会全体の雰囲気が右に傾く中、いわゆる二大政党制も夢物語にすぎない。
あれほど意気込みあふれていた民主党は現在、分裂に向かっている。これもまた、福沢諭吉が1世紀以上前に実現できなかった思想面の啓蒙がなければ、日本の政局混乱が今後も継続されることを裏付けている。その他の政党が民主党に変わり政権を取ったとしても、徹底的な思想的洗礼を受けなければ、党の分裂や首相の頻繁な交代が継続され、むしろいっそうひどくなることだろう。日本は世界の笑いものになるばかりだ。(文=中国社会科学院日本研究所 龐中鵬)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月10日