アジア太平洋経済協力会議(APEC)の年次会議が現在ロシアで行われている。世界経済が回復力を欠き、アジア太平洋地域が成長の勢いを維持する中、国際社会は間もなく開催されるAPEC首脳会議に強い期待を寄せている。アジア太平洋の多くの国の専門家や高官がAPEC首脳会議が地域の貿易・投資一体化の推進について合意できるかどうかについて見解を述べた。
ロシアのラブロフ外相は3日「世界経済は憂慮すべき状況にあるが、APECは地域経済統合の道に沿って着実に前進している」「アジア太平洋地域に自由で開かれた貿易・投資体制を築くことはAPECの主要任務の1つだ」と指摘した。
タイのカシコン研究センターの副主任は「ASEAN10カ国のうちカンボジア、ラオス、ミャンマーはまだAPEC参加国ではない。だがすでに参加している他のASEAN諸国にとって、APECは発展段階にある小規模経済体が世界の主要経済体と直接交流する場であり、ASEAN諸国と世界の主要経済体との貿易・投資面の結びつきの構築にプラスだ」と述べた。
インドネシア大学の政治経済学の専門家、マルム氏は「APECは参加国・地域に交流の場を提供しており、二国間や多国間の貿易・投資問題を議論するうえでプラスだ。だがアジア太平洋経済の統合は決して容易ではない。ASEANはアジア太平洋の比較的成熟した地域組織として、比較的整った機構と開発アジェンダを備えている。このためAPECはまずASEANの2015年の統合実現を支援することで、東アジアの一体化を促すべきだ。こうして最終的にアジア太平洋地域の経済統合を日程に上げることが可能になる」と述べた。
日本の慶応大学総合政策学部の渡辺頼純教授は「東アジア地域の統合推進とアジア太平洋地域の投資・貿易自由化は相互補完的なものだ。APECは発足から20数年経ち、『協力』から『統一』への転換の絶好のチャンスを迎えている」「APECの枠組みに徐々に強制的な拘束力を取り入れ、貿易・投資の自由化を促す。2020年にはAPECの全ての参加国・地域が貿易障壁を撤廃し、投資自由化を実現できる見込みだ」と指摘した。