(三)弁護士の職務遂行の権利を保障する
弁護士の職務遂行の権利を保障することは被疑者、被告人の合法的権益の擁護、案件の公正な処理に対して極めて重要である。弁護士が接見、文書調べ、調査・証拠集めなどの職務を遂行する中でぶつかる困難に対して、ここ数年、中国は法律の改正、整備を進めており、これは弁護士の法に基づく職務遂行に法的保障を与えた。 2007年に改正された弁護士法は、訴訟特に刑事訴訟に参与する弁護士が享有すべき権利について補充、強化した。弁護士が法廷で発表した代理、弁護意見は、国の安全を脅かしたり、悪意をもって他者を誹謗したり、法廷秩序を甚だしく乱す言論を除けば、いずれも法的な追究を受けないと定めている。これらの措置は弁護士が弁護職能を効果的に行使できるよう促した。2006~2011年に、全国の弁護士が弁護した刑事案件は245万4222件で、これは2001~2005年より54.16%の増加となった。 勾留された被疑者、被告人と速やかに接見し、また文書記録を調べ、調査・証拠集めをすることは、弁護士が刑事訴訟における弁護職能を発揮できるかどうかに直接関わってくる。2012年に改正された刑事訴訟法では、ごく一部の案件を除いて、弁護士は弁護士就業証書、弁護士事務所証明、そして委託書または法律援助公文を所持していれば、勾留中の被疑者、被告人と接見できるとしている。弁護士が被疑者、被告人との接見中に監視されることはない。弁護士は審査起訴の段階からその案件の文書記録を調べ、写し取り、コピーすることができる。弁護人は、人民検察院、人民法院に申請して、公安機関、人民検察院が収集した被疑者、被告人の無罪あるいは罪が軽くなる証拠材料を取り寄せる権利をもつ。同時に、弁護人は法に基づいて訴訟権利を行使することが公安機関、人民検察院、人民法院およびその関係者に妨害されたと判断した場合には、同級または一つ上級の人民検察院に提訴、あるいは告訴する権利をもつ。人民検察院はその提訴、あるいは告訴に対して速やかに審査し、事実に合致するなら、関係機関に通知し、是正させなければならない。