(四)勾留適用措置を制限する
社会大衆の安全を保障し、犯罪案件捜査の順調な進行を保障するため、中国の法律は被疑者、被告人に対しての勾留・非勾留の強制措置を定め、かつ厳格な適用条件を規定した。強制措置の適用をさらに規範化し、公民の権利保護を強化するため、2012年に改正された刑事訴訟法は勾留強制措置をさらに整備した。 逮捕条件を細分化し、審査許可の手続きを厳格にする。刑事訴訟法は、逮捕条件としての社会的危険性の具体的な基準を明らかにしている。また、人民検察院は逮捕を審査許可し、被疑者を尋問できる。逮捕の条件にかなうかどうか疑いがある場合、被疑者が直接申し立てた場合、あるいは捜査活動に重大な不法行為がある場合、被疑者を尋問すべきである、としている。弁護士が要求した場合は、弁護士の意見を聴取するべきである。これらの規定は、案件の状況を全面的に理解し、逮捕条件を正確に把握し、誤まった勾留を防止するのに役立っている。 被勾留者の勾留の必要性に対する審査制度を確立する。被疑者、被告人が逮捕された後、人民検察院は被勾留者の勾留の必要性に対して審査すべきである。引き続き勾留する必要がないと分かった場合は、関係司法機関に釈放あるいは強制措置の変更を提案すべきである。 勾留中の被疑者、被告人に対する強制措置の解除、変更手続きを整備する。人民法院、人民検察院、公安機関が被疑者、被告人に対しての勾留措置が適当ではない、あるいは法定勾留期限が満了していると気づいた場合、速やかに強制措置を取り消すか変更し、あるいは被勾留者を釈放しなければならない。被疑者、被告人、およびその法定代理人、近親者、弁護人は、強制措置の変更を申請する権利をもち、関係機関は3日以内に決定をくださなければならない。 居住監視の適用を拡大し、勾留を減らす。2012年に改正された刑事訴訟法は居住監視を勾留減少に代わる措置とし、逮捕の条件にはかなっているが重い病気にかかっている者、自力で生活できない者、妊娠中あるいは授乳期の女性、および自力で生活できない者の唯一の扶養者である被疑者、被告人を居住監視の適用範囲に組み入れた。