◇中国けん制 フィリピン・ベトナム等に歩み寄り
安倍政権の最近の動向を見ると、この「包囲戦略」の重点は、中国と重要な利益関係を持つ国、および中国との間に紛争が存在する国であることが分かる。
日本メディアは1月7日、安倍氏の首相就任後の初の外遊先は、ASEANの三カ国(インドネシア、ベトナム、タイ)になる可能性が高いと伝えた。
日本メディアは、「日中関係の緊張を背景とし、安倍氏は日米同盟関係の強化を狙い訪米する予定であった。しかしオバマ大統領は1月に大統領就任式や新政権発足で多忙なため、日本からの訪米意向を断った。安倍政権はこれを受け、初の外遊先を東南アジア三カ国にすることを検討中だ」と報じた。
毎日新聞は、「この選択は、アジア諸国との関係強化による対中国包囲網の構築という、安倍政権の重要な外交戦略を際立たせる」と指摘した。
日本経済新聞も、「これはアジア経済の高成長を重視する経済戦略によるもので、同地域で影響力を拡大する中国をけん制する狙いもある」と分析した。
日本は1月より、中国包囲網の手配を開始している。正月休暇中の1月2日、麻生太郎副総理はミャンマーを訪問し、経済提携・戦略的関係の強化を求めた。
岸田文雄外相も9−14日に、フィリピン、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアの4カ国を訪問した。麻生氏と岸田氏はいずれもこれが初外遊で、象徴的な意義を持つ。