安倍氏およびその部下の東南アジア歴訪が、ついに盟主である米国から認可された。クリントン米国務長官は訪米した日本の岸田文雄外相との会談後「米国は釣魚島(日本名・尖閣諸島)の最終的な主権帰属問題について特定の立場はとらないが、釣魚島が日本の施政権下にあることを認め、日本の施政権を侵害するいかなる『一方的行動』にも反対する」と述べた。(文:呂耀東・中国社会科学院日本研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
盟主である米国のこの誠意ある慰めによって、日本は釣魚島の不法「国有化」以来の「落ち着かなさ」と「後ろめたさ」を払拭し、日米同盟に対する過去の信頼を取り戻した。
釣魚島「国有化」は実行したものの、日本は自らの軍事力と進攻型の戦略方針によって戦略目標を実現することはまだできず、盟主・米国の力強い支持と声援を必要としている。事実上、日米同盟は日本にとっていわゆる釣魚島の「国有化」を実行するうえでの戦略的基盤であり、海洋覇権という戦略目標を追求するうえでの推進力だ。
日本の排他的「海洋覇権論」は一貫して、「海洋覇権論」を根拠に日米海洋覇権同盟関係を強化し、「米国を混ぜてアジアを制し」「船を借りて海に出て」海洋覇権という戦略目標を追求することを主張している。近年、米国の戦略のアジアシフトに日本は「船を借りて海に出る」機会を見出し、米国の東アジア戦略の調整を頼りに釣魚島をめぐる高望みを何とかして果たそうとしている。
昨年7月24日、玄葉光一郎外相(当時)は参院予算委員会で、釣魚島を「米日安全保障条約」の対象に組み入れると述べたうえで、クリントン米国務長官との共同決定だと説明した。米国のアジア太平洋戦略の調整および「釣魚島問題」にかこつけて、極力中国を抑え込もうとする日本の戦略的意図をはっきりと示すものだ。その後、日本防衛省は1997年制定の「日米防衛協力指針」の見直しを検討することで米側と合意。日本高官はこれと「中国の台頭への対応」を何はばかることなく結びつけた。同指針は自衛隊と米軍の合同行動の原則および協力方式を定める基本文書だ。