米国は釣魚島をめぐる領土係争において特定の立場を取らないと主張しているが、実際には釣魚島は日米安全保障条約の適用対象だと公に強調し続けている。米国は先日、2013会計年度国防権限法案で、釣魚島が日米安保条約第5条の適用対象であることを明記した。これについて中国外交部(外務省)は米日安保条約は特定の歴史時期における2国間の取り決めであり、中国を含む第三国の利益を損なうべきでないし、多国間の領土係争に介入すべきではなおさらにないと表明した。
だが日米両国は耳を貸さず、中国を念頭に日米防衛協力指針の見直しに着手した。安倍晋三氏は首相就任後間もなく、日米防衛協力指針の見直しを速やかに議事日程に上げるよう小野寺五典防衛相に指示した。米国の戦略のアジアシフトと釣魚島問題の緊張を背景に、米国も日米防衛協力指針の見直しに積極的に応じ、釣魚島問題で日本に肩入れする立場をより直接的に表明している。
近年日米両国が釣魚島が「日米安保の範囲内」であることを数度確認したことで、すでに中米関係、中日関係の健全な発展は深刻に損なわれ、東アジア情勢の一層の複雑化を招き、海洋権益や領有権をめぐる東アジア各国の問題の解決は難しさを増したと言えよう。
中国の釣魚島の領土主権の侵害を企む当事国に対し、グローバル化と地域協力の時代の日米同盟には新たな位置づけが必要であり、近く見直される日米防衛協力指針はアジア太平洋の共通利益に考慮してのみ、いわゆる「自らの利益」を守ることができるのだということを忠告する。さもなくば、「価値観外交」「自由と繁栄の弧」および日米同盟の覇権主義のみに頼っては、アジア太平洋地域および自国の調和、繁栄、安定局面は支えられないのだ。
「人民網日本語版」2013年1月21日