東アジア情勢には現在、微妙かつ重要な変化が生じている。韓国の朴槿恵大統領が訪中し、韓国の夢と中国の夢を一体化し、中韓の新たな蜜月期を形成した。オーストラリア政界の「中国通」と呼ばれるケビン・ラッド氏が首相に再任し、中国との自由貿易協定の締結を提案した。両岸関係(大陸と台湾省の関係)も経済関係の発展に伴い深化している。東アジアにおける唯一の「変数」は、日本だ。
いかに安倍首相の強気の外交態度を読み取るかが、日本の未来の動向を観察するカギとなった。安倍首相の強硬な態度には「伝統的な遺伝子」によるものと、「機会主義」の計算があることは否定できない。
しかしより細かく観察すると、安倍首相の強硬な態度は、21日の参議院選挙のためであることが分かる。選挙結果は安倍政権にとって重大な意味を持つ。自民党と公明党の連立与党が圧勝し、参議院の多数の議席を確保した場合、安倍首相が小泉純一郎氏を超える超大物首相になり、さらに安倍首相の長期的な政権運営の基盤を固めることになるからだ。