選挙で勝利するため、安倍首相は中国に対して強硬にならなければならない。これには次のいつくかの理由がある。
(1)民意に迎合する。
(2)今回の選挙で、民主党の安倍首相に対する圧力が弱まり続けており、本来ならば人気急上昇中であった日本維新の会も、共同代表の石原慎太郎氏と橋下徹氏の仲違いにより、安倍首相の優勢を覆すことが困難になっている。しかし石原氏は釣魚島などの中国に関する議題を巡り、安倍政権が軟弱であると非難している。安倍首相は石原氏よりも「強硬で愛国的」であることを示し、日本維新の会という新勢力への、有権者の票の流出を防がなければならない。
(3)安倍首相は強硬な態度で票を勝ち取ろうとしているが、自民党だけで過半数の議席を獲得し、公明党の協力が不要になることを狙っている。そうすれば自民党は、衆参両院で圧倒的多数の議席を確保することになる。これは安倍首相が、自民・公明の連立政権を変化させようとしているわけではない。安倍首相は事前準備を整え、平和憲法を変更する際に公明党の支持が得られなかった場合、最終的に公明党を切り離し、自民党が単独で改憲に踏み切れるようにしているのだ。