隣国の軍艦、とりわけ潜水艦が日本列島から沖縄、台湾、フィリピンをつなぐ防衛ラインである「第一列島線」を突破する動きに、日本の海自は終始敏感な反応を示している。アジア太平洋地域における海自の戦略は、ヘリ搭載型空母を中心に、対潜戦と支援能力の補助的役割の充実を重視するものである。日本の防衛省関係者は「ヘリは潜水艦の捜索が可能であり、対艦ミサイルの射程距離の外で敵方戦艦を探知することができる」と話している。日本がヘリの搭載が可能な巨大戦艦を必要とする理由もそこにある。
これまでの日本の艦隊整備計画である「八八艦隊」は、主にソ連の潜水艦の防衛を仮定したものだったが、今では日増しに力を増す中国海軍に対応するため、「九・十艦隊」までレベルアップしている。海自の「九・十艦隊」とは、「八八艦隊」をベースに、新たに建造した艦対空ミサイルを搭載した駆逐艦「イージス艦」と多用途駆逐艦(1機のヘリコプターを搭載)それぞれ1隻と駆逐艦10隻、艦載ヘリ9機からなる艦艇編隊である。
「いずも」は就役後、「第一列島線」付近の重要海域におけるパトロールを長期間行うことが可能で、搭載されている対潜ヘリが遠距離の警戒活動に当たることで、隣国の潜水艦と軍艦の活動範囲を更に圧迫することができる。中日間で一度主権争いが巻き起これば、中国海軍で「第一列島線」を突破する戦闘能力を持つ潜水艦部隊は、日本の強力な対潜戦闘能力の抑制に遭うだろう。
(筆者・中国人民解放軍国防大学教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月9日