二、財政・金融協力、経済・貿易協力について
(朱氏)東アジア地域は経済発展で世界をリードする地位にあり、現在の世界で最も発展の活力と潜在力を備える地域だ。東アジア地域の財政・金融協力は発展の肝要な段階にある。ASEANプラス3財政・金融協力は1999年の始動以来、重大で実務的な成果を複数上げ、東アジア財政・金融協力の主要ルートへと次第に発展した。現在ASEANプラス3財政・金融協力の重点はチェンマイ・イニシアティブのマルチ化の実効性を一段と高め、ASEANプラス3マクロ経済研究事務局を国際組織に格上げし、東アジア債券市場の踏み込んだ発展を着実に推進することにある。東アジア地域の経済発展は試練にも直面している。特に途上国のインフラは不備が多く、経済発展を制約するボトルネックとなっている。中国はアジアインフラ投資銀行の設立を提唱し、ASEAN諸国を含む地域の途上国にインフラ整備面で資金援助を行う意向だ。新たなアジアインフラ投資銀行は域内外の既存の多国間開発銀行と協力し、補完し合い、アジア経済の持続的で安定した発展を共に促進する。
(高氏)中国・ASEAN貿易の発展には以下の大きな特徴がある。
(1)相互貿易の大幅な拡大。中国は4年連続でASEAN最大の貿易パートナーとなり、ASEANは中国第3の貿易パートナーの座を維持している。2010年に中国とASEANの首脳は2015年までに相互貿易額を5000億ドルにまで増やすとの目標を打ち出した。現在の発展速度から見て、この目標は前倒し達成の見込みが完全にある。
(2)相互投資協力の著しい成果。中国はASEAN第4の外資導入元、ASEANは中国第3の外資導入元だ。過去10年間で相互投資は年平均13%増加し、累計1007億ドルに達した。
(3)互恵的経済協力の著しい成果。ASEANは中国にとって重要な海外の建設請負市場、労務協力市場だ。中国政府は東南アジアの国々のインフラ、農業、水利、民生、人的資源分野の事業への援助や人道支援を可能な限り行ってきた。
(4)相互観光規模の急速な拡大。ASEANにとって中国はすでに最大の観光客源となっている。
(朱氏、高氏)李総理の今回の訪問によって中国とASEANの互恵的経済・貿易協力関係は必ず一段と深化する。双方は試練に共同で対処し、地域経済の安定的で持続可能な発展を維持する。