ロシアのメドベージェフ首相、インドのシン首相、モンゴルのアルタンホヤグ首相が、同じ日に訪中した。これは単なる偶然であるかもしれないが、多くの専門家はその偶然の裏側にある深い含意を読み取っている。これらの会談の主要議題が、経済であるか政治であるかについて、専門家の意見は一致していない。
ロシア政治研究・予測センターのアンドレ・ヴィノグラードフ所長は、これは世界の外交の歴史で前例のない出来事だと述べた。ヴィノグラードフ所長はボイス・オブ・ロシアの取材に応じた際に、「いかなる角度から見ても、このような出来事は非常に稀であり、想像を絶するものだ。これは世界史においても、異常なことである。ロシア・インド・モンゴルはいずれも中国の地域外交において重要な国家だ。ここで重要になってくるのは、訪中したのが3カ国の首相であり、国家元首ではなかったことだ。しかしこの出来事は政治的な意義があり、経済範囲をはるかに上回っている」と指摘した。
ヴィノグラードフ所長は、「この偶然の裏側にある動機については、さまざまな意見がある。3カ国の首相を招待することは、対中包囲網を構築しようとする米日に対する回答だという説が流行している。私は、これは米国のアジア太平洋政策に対する中国のある種の反応、もしくは探りを入れるための反応だと思う」と分析した。
中国の隣国である3カ国の首相が同時に訪中したことは、各国が投資協力の発展に興味を持っていることを示している。ロシア科学院極東研究所のアンドレ・オストロフスキー副所長は、「本件にはその他のいかなる陰謀も存在しない。中国は世界最大の投資家であり、中国の今年の海外投資額は1200億ドルを超える」と語った。