日本で噂されていた「共同声明」についても、発表はなかった。ワシントン・ポスト紙は、「日本メディアは、バイデン氏と安倍首相が声明文の中で、中国に防空識別圏を撤回するよう呼びかけると推測していた。しかしバイデン氏の助手は、この声明文について検討したことはなく、バイデン氏は中国に自制的な態度により誤判断と不測の事態を回避するよう求めるだろうと述べた」と伝えた。フジテレビは3日、「日本はバイデン氏との会談後に共同声明文を発表することを検討していたが、米国が同意しなかったためこれを放棄した」と報じた。BBCのウェブ版は、「バイデン氏と安倍首相の会談前に、日本ではすでに、日本の期待と米国の反応の間に温度差が生じうることがうかがい知れた。バイデン氏は訪日前に、すでに合図を出していたようだ。バイデン氏は中国に対して厳しい立場を持たない朝日新聞の書面インタビューを選択し、仲裁の立場を示した。米国は日本と制定した防衛条約の義務を履行し、必要な場合に日本を守ることを明確に表明したが、この敵対するアジアの二カ国の軍事衝突に巻き込まれたくはない」と指摘した。
日本政府とメディアはバイデン氏と中国の防空識別圏問題について検討し、具体的な承諾を得ようと躍起になっていたが、バイデン氏は米国の一貫した立場を強調するだけで、全体的にはあいまいな態度だった。3日夜に開かれた記者会見において、バイデン氏は日本政府と中国に対して、危機管理の枠組と意思疎通のルートを早期構築し、不測の事態を防ぐよう求めた。またバイデン氏は限りある時間の中で、日本に対してTPPの早期加入、普天間基地移設問題など、米国の利益に直接関わる問題について何度も触れた。