中国政府が11月23日、東中国海の防空識別圏の設定に関する声明を発表すると、一部の国が強い反応を示した。新華社の記者はこのほど同問題について、関連部門および権威ある専門家を取材した。
日米に続く措置
防空識別圏は海に面する国が、直面しうる空の脅威に備えるため、領空外に設定する空域を指す。同空域に入った航空機の識別・監視・管制・処理に用いられ、早期警戒の時間を稼ぎ、空の安全を守る。
中国戦略文化促進会常務副会長の羅援氏は、「これは緩衝区やファイアーウォールのようなもので、海の方角からの空の脅威と不明機を対象とする。状況に応じて、識別・監視・管制・処理などの措置を講じて対応する」と説明した。
軍事専門家の尹卓氏は、「防空識別圏の設定は、国家安全情勢の発展に基づく要求であり、中国の海の方角に対する防衛システムを改善できる。航空機の航行方向・速度・高度などのデータを把握し、同空域内を飛行するその他の航空機の安全を保障できる」と指摘した。
米国やカナダなどの多くの国が1950年代より防空識別圏を設定している。中国による防空識別圏の設定は、国際法と国際的な慣例に合致するものだが、一部の国が強い反応を示している。
中国外交部の鄭沢光・部長助理は24日、ゲイリー・フェイ・ロック米駐中国大使に厳正な申し入れを行い、米国は直ちに過ちを正し、中国に言いがかりをつけるのを止めるべきだと要請した。駐日中国大使館の韓志強公使は、外務省の伊原純一アジア大洋州局長からのいわゆる抗議を直ちに拒絶した。
羅氏は、「防空識別圏の設定は対立を激化させるものではなく、曖昧な境界線を明確にし、複雑な問題を分かりやすくするものだ。境界線が不明瞭であれば偶発的な衝突が発生しやすく、境界線が定まれば各国は慎重な態度になる。中国の防空識別圏の設定は、非常に自制的なものだ。日米の態度は、相手に同じ権利を行使させようとしない、自分勝手なものだ」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月26日