「国家安全保障戦略」は日本をどこに導くか

「国家安全保障戦略」は日本をどこに導くか。 10月23日付の「朝日新聞」デジタルには「これが平和主義と呼べるのだろうか」という社説が掲載された。安倍内閣のまとめた「国家安全保障戦略」(NSS)と年末に閣議決定予定の「新防衛大綱」に疑問と憂慮を投げかけるものだった…

タグ: 武器輸出三原則 国家安全保障戦略 専守防衛

発信時間: 2013-12-23 10:21:45 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「専守防衛」はもともと、戦後の日本の国防の基本原則であり、日本憲法の規定するところとなっている。日本国憲法第9条には、第1項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、第2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と定められている。だが1991年6月の海上自衛隊の掃海艇のペルシャ湾への派遣を切り口として、自衛隊の海外活動はタブーではなくなり、憲法の制限も受けないような状態となっている。さらにこれまでの「専守防衛」のための装備は自衛隊の需要を満たさなくなりつつある。それだけではなく対外軍事援助も日本による「積極的平和外交」の切り札となっている。日本メディアの報道によると、日本はすでに、南中国海にある諸島に関して中国と論争があるベトナムとフィリピンに対し、政府開発援助(ODA)の補助による軍艦の提供を行うことを決定している。台風30号に襲われたフィリピン領海には今も、日本による海外派遣で戦後最大の規模となる海上自衛隊の艦艇群が停泊している。日本の今回のフィリピンに対する救助活動は「サンカイ作戦」と名付けられているが、サンカイはフィリピン語で友達を意味している。2年前の東日本大震災の時には、米軍による日本での援助活動が「トモダチ作戦」と名付けられていた。日本は今回、フィリピンで米国と同じような兄貴分としての役割を果たそうとしたと言える。

12月17日、安倍内閣の閣議決定で採択された「新防衛大綱」は、民主党時代にすでに「専守防衛力」の範囲を明らかに越えていた「動的防衛力」という基本理念を「総合機動防衛力」へとレベルアップさせた。

任期中に憲法を修正するという目的を達するため、安倍内閣は憲法修正への歩みを加速させている。「国家安全保障戦略」(NSS)の計画から「国家安全保障局」の設立、「特定秘密保護法」と「新防衛大綱」の採択、「武器輸出三原則」の修正、「積極的平和外交」の打ち出し、自衛隊の「専守防衛力」というレッドラインの突破、「総合機動防衛力」の実行まで、日本の国家安全保障政策は安倍内閣成立からの一年間で質的な変化を遂げた。その最終目的は現在の平和憲法の修正以外にはない。一年前、野党だった自民党は、日本の人々に対し、「信頼」、「責任」、「安心」の政治体制を構築することを約束した。参議院選挙までの時点で、自民党の総体的な戦略と主な力は基本的に「アベノミクス」を盛り上げることに集中している。だが参議院選挙が終わり、自民党が単独過半数を取り、保守勢力が国会内で絶対的な優勢を取るという大局がすでに決定した今、自民党は憲法修正の歩みを速めている。

人々の反対をまったく無視して「特定秘密保護法」を強行採決し、「国家安全保障戦略」を制定するなどの行動は、自民党の憲法修正問題における独断専行を示しており、同時に、自民党による憲法修正の段取りはすでに十分に準備され計画されていたということを示している。(筆者:中国社会科学院日本研究所日本問題専門家 趙剛)(編集MA)

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「人民網日本語版」2013年12月23日

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