李克強総理は昨日、ボアオ・アジアフォーラム2014年度年次総会の開幕式で講演を行い、アジアは利益共同体を結成し、運命共同体を形成し、責任共同体を建設すべきと提案し、世界およびアジアの構造の大きな変化に正確に呼応した。
2008年に世界金融危機が発生すると、アジアは経済低迷に陥った欧州や米国とは対照的に、比較的高い経済成長率を維持し、全体的に見て外部の景気変動による影響を受けなかった。これには二つの原因がある。まずアジア諸国の経済規模がかつてとは比べ物にならないほどになっており、工業化が勢いを示している。それからアジア諸国の経済交流が日増しに緊密になっており、危機の際にも一致団結し、外部からの不利な影響を解消できる。
知らぬ間に今日のアジアの両翼には、二つの世界的な富の中心が形成された。一つ目は中国、日本、インドを含む広義の東アジアで、世界最大の実体経済区となっており、産業により創出される富は伝統的な西側諸国に引けをとらない。二つ目はアジア中西部の石油産出国で、世界一の石油・ガス埋蔵量と生産量により多くの富を蓄積している。
この二つの地域は現在、相互依存を強めており、一つの全体的なアジア経済世界を形成しつつある。アジア東部の工業国は中西部諸国のエネルギーを必要としており、中西部の諸国は東部の安定的なエネルギー市場を必要としている。これによりアジア内の貿易規模が、その他の地域の貿易規模を上回っている。過去10数年間に渡り、アジア内の貿易規模は1兆ドルから3兆ドルに拡大し、アジア諸国の貿易額に占める比率が30%から50%に上昇した。
アジアの力強い発展の中で、中国は受益者であり、重要な原動力でもある。中国のこれまでのアジア経済の発展に対する貢献は、アジア以外の大国を大幅に上回った。中国は強い意志によりアジアの共同発展、繁栄と安全を推進しており、自国の発展・繁栄・安全に不可欠な要素としている。