中国の習近平国家主席は今月下旬に訪米する。中米両国の多くの専門家は、今回の訪米は不信感を取り除き、両国関係に新たな活力を注ぎ込む一助となると判断した。
専門家らは、「中国は再び世界に向けて、両国間の持続的かつ安定的な発展の関係を模索し、世界の大国関係の模範を樹立し、世界の恒久の平和と人類の進歩に貢献することを証明した」と指摘した。
対抗は選択肢にあらず
復旦大学米国研究センター長の呉心伯氏は、「米国の政界と学界は、中米関係に対する焦りを増している。米国の有名な中国問題専門家のデビッド・ランプトン氏はこのほど、米中関係は臨界点に達しようとしており、崖っぷちにますます近づいていると述べた」と話した。
呉氏は米国のいわゆる「中国に対する焦り」について、両国の国力の相対的な変化が一因であると分析した。
中米関係には多くの懸念材料があり、両国が衝突するというさまざまな論調がある。しかし多くの専門家は、双方にとって対抗は選択肢ではないと判断した。
米シンクタンク・カーネギー国際平和財団のVikram Nehru上席研究員は、「(中米の)共通の利益と協力の範囲は、対立の範囲を大幅に上回るはずだ。両国間には食い違いがあるが、重要なのは協力と食い違いを分けて考えることだ。両国間の協力は、すでに積極的な軌道にのっている」と語った。
衝突と対抗の回避は、中米新型大国関係構築の前提条件だ。これは中米両国にとって重大な意義を持ち、世界に利益をもたらす。
ゼロサムゲームからウィンウィンへ
新華社世界問題研究センター研究員の銭文栄氏は最近の記事の中で、「中米の新型大国関係構築で最大の障害となっているのは、中国の戦略的意図を長期的に疑い平等な立場になろうとしない米国の姿勢だ。相互信頼は、両国の新型大国関係構築の鍵となる」と判断した。
これらの課題が残されているが、中米両国関係の大局には変化が生じていない。共同の利益が食い違いを上回り、協力が競争を上回る。