▽袁鵬(中国現代国際関係研究院副院長)
最高指導者の会談は、「大きな点をつかみ、小さな点を押さえる」というものでなければならない。小さな点を「押さえる」と言い、「置いておく」と言わないのは、すぐには解決できない問題は、一定の時間をかけて解決しなければならず、一度の首脳会談に望みをかけるべきではないということである。米国メディアがさかんに取り上げるサイバーや南中国海などの問題よりも、経済協力や気候変動などの世界的な議題に重きを置くことが望まれる。 例えば経済問題で言うなら、米国経済は復活しつつあるもののまだ脆弱で、中国の株式市場にも新たな変化が起こっている。全世界が期待しているのは、世界第1・第2のエコノミーの指導者が、互いに利益のあるウィンウィンの経済貿易協力の局面を形成し、世界経済を繁栄へと導くことである。中米両国の指導者は、リーダーとしての役割を発揮し、積極的なシグナルをともに発する必要がある。
▽達巍(中国現代国際問題研究院米国研究所所長)
習主席の今回の訪問に寄せる最大の期待は、米国人の心中の「Who is he?」と「What is his vision?」という問題に答えることである。つまり習主席自身がいかなるスタイルの持ち主であり、中米関係に対してどんなビジョンを持っているのかをはっきりさせることである。 習主席がこの二つの情報を伝えることは、習主席個人と中国に対する米国人の戦略判断を左右する。中国の改革開放はすでに新たな段階に入っており、中米関係の時代的な背景も変化している。習主席は、オバマ大統領やビジネス界、シンクタンクのエリート、一般の庶民とコミュニケーションすることで、中国が何を求めているのかを直接伝えることとなる。