▽王逸舟(北京大学国際関係学院副院長)
私個人が最も興味を抱いているのは、今回の訪米を通じて中国と目下の国際体系との関係を観察することである。互いの距離を徐々に広げ、相手と無関係に発展を目論み、さらには対立するような事態に至るのか、それとも協力を続け、相互に利益を得て、中米両国だけでなく世界全体の変化をともに促すことができるのか。私は楽観的に後者であると考えている。 中米間には現在、いくつかの小さなトラブルが存在している。だが目前の特定の問題であまり張り合うのは得策ではない。我々は、行程全体とその結果を総合的に評価し、スケールを長くとって、今回の訪問の意義と影響とを長期のスパンにおいて考える必要がある。私は、両国のメディアや世論、外交官、幅広い国民が、今回の訪問が国際関係史の新時代の進歩に描き出す軌跡を見届けることを期待している。
▽呉心伯(復旦大学国際問題研究院副院長)
今年上半期以来、両国関係に対する米国の見方はネガティブなものとなっている。米国は中国と両国関係に対して焦慮を覚えているようである。私が最も関心を寄せているのは、習主席の今回の訪問が、目下の中米関係におけるネガティブなムードを一掃し、相違ではなく協力を再び中米関係の主旋律とできるかということである。また中米両国の指導者が、会談と突っ込んだ対話を通じて、両国関係を今後いかに推進するかについて共通認識を形成し、今後しばらくの中米関係に明確なロードマップを描き出せるかということにも関心を持っている。