国際秩序の建設者、地域の平和の守護者として、中国は一貫して、「国連憲章」の目的と国際関係の基本法則を順守・防衛し、国際法治における公平と正義を擁護し、国際法を尊重・実践してきた。中国は、国連平和維持活動の主要な出兵国・出資国であり、21人の中国の軍人と警察官が異国で身を犠牲にしている。良識を持った人であれば誰もがこれを感謝している。だが「事修而謗興,徳高而毀来」(事業が成れば謗りを受け、徳が高ければ批判される。韓愈の言葉)。
しかしいかに間違った主張であっても、放っておけば禍をもたらす。フィリピンの南中国海仲裁案件における仲裁法廷の違法な裁決は、非常に悪い影響を生むものとなる。この茶番が「合法」とみなされるようなら、世の中に安寧の日はなくなってしまうだろう。
国家には大きいものも小さいものもある。領土の広さにも違いがある。これは歴史によって形成されたものであり、他国の領土を機に乗じて侵略することは、いかなる者も、いかなる方式によっても許されない。
中国が南中国海で有する主権と合法的権利は、中国人民の古代からの南中国海の開発と経営、実効的な管轄、列強の撃退によって打ち立てられてきたものであり、我々の祖先が残してきた神聖な領土を一枚の裁決書によって奪い取ろうとする試みは徒労である。現代の世界は、不平等条約によって中国の領土を侵略できた野蛮な時代とは様変わりしている。我々はもはや、中国の主権や安全、発展利益を損なうような要求を飲むことはない。
中華民族は、「和を貴しとなす」ことを重視している。中国は、南中国海の平和と安定の擁護に尽力し、直接の当事国とともに、歴史的な事実の尊重を土台として、国際法に基づき、協議と交渉を通じて、論争の平和的な解決に尽くしている。1995年以来、中国とフィリピンは、多くの多国間・二国間文書と「南中国海における各国の行動宣言」において、重要な共通認識を重ねてきた。フィリピンのアキノ3世政権の行動は、信頼に背き、約束を破るものである。仲裁の茶番が、直接の協議を通じて関連する論争を解決するという中国の政策と立場に影響することはない。
だが善良な願いは強大な力を代替するものではない。領土主権と海洋権益を守るという中国人民の決意は断固として揺るがない。人民の軍隊は現在、改革強軍戦略を全面的に実施している。いかなる者の武力の誇示も恐れることはなく、各種の脅威や挑戦に対応する能力を持っている。我々に属さない土地は、我々は少しも要らない。だが我々に属する領土は、我々は少しも譲らない。中国の軍隊は、国家の主権と安全、海洋権益を揺るぐことなく防衛し、地域の平和と安定を断固として守っていく。中国の領土の主権と海洋権益を侵害するあらゆる企みは妄想に終わるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月14日