違法な仲裁結果、中比の対話の不確定性を高める

違法な仲裁結果、中比の対話の不確定性を高める。 ハーグの臨時仲裁裁判所は12日、フィリピンから申し立てられた南中国海仲裁案の裁決を下した。裁決はフィリピンに肩入れする内容で…

タグ: 仲裁結果

発信時間: 2016-07-15 13:05:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

ハーグの臨時仲裁裁判所は12日、フィリピンから申し立てられた南中国海仲裁案の裁決を下した。裁決はフィリピンに肩入れする内容で、完全に歴史と現実を無視しており、九段線を含む中国の南中国海の主張を全面的に否定した。中国政府はその後一連の声明を発表し、裁決は「違法」「無効」で拘束力を持たず、中国がこれを受け入れることも認めることもないと繰り返した。裁決は中国の南中国海における領土主権と海洋権益を損ねるばかりか、今後の中比の協議による南中国海の関連係争の解決を妨げる。

中国は現在、フィリピン新政権と仲裁案を並行する方針を貫いている。中国は仲裁案に対して原則を維持し、少しも妥協しない。フィリピン新政権に対しては、善意を示し積極的に働きかける。新旧の政権交代は、中比関係の好転に良き機会をもたらした。仲裁案はアキノ前政権が残したゴタゴタであり、中国政府は2つの政権を分けて考えると同時に、フィリピン新政権と仲裁案の距離を離すよう取り組む。

しかし両者は密接につながっている。まずフィリピン新政権は、仲裁案を避けては通れない。ドゥテルテ大統領は国内で、中国に妥協しているという批判を避けなければならない。また海外では、米国の圧力に耐えなければならない。米国の支持を失えば、フィリピンは中国と駆け引きするための後ろ盾を失う。またフィリピン新政権には、仲裁結果を中国との交渉の駒にしようという、投機的な考えもある。裁決がフィリピンに有利であることは、利用するための条件だ。そのため仲裁結果が厄介な問題になるか、利用可能な駒になるかは、フィリピン新政権の態度にかかっている。

仲裁結果は完全にフィリピンに有利で、中国には不利な内容となった。これによってフィリピンは裁決を過大視し、中国にとんでもない条件をふっかける可能性がある。仲裁はドゥテルテ大統領が推進したわけではないが、フィリピンに有利な結果となった。新大統領は、攻防自在の理想的な局面を迎えている。仲裁結果は間違いなく、中比の政治対話に不確定性をもたらす。しかしドゥテルテ大統領が対中関係の修復を心から願うならば、仲裁結果がその努力の障害になることは決してない。

また中比の対話再開の努力は、常に米国や日本などからの妨害を受ける。仲裁結果が有利な状況下、フィリピンが中国との協議を選択することは、米国などが願う結果ではない。フィリピンの学者が指摘したように、中比が二国間協議を行えば、その他のASEAN諸国の協力の意向を強めることになる。そうなれば米国は地域事業に介入する口実を失うだろう。彼らが望んでいるのは、中国の南中国海における領土主権と海洋権益をさらに損ねることに過ぎない。

中比間の南中国海をめぐる係争という具体的な出来事は、すでに二国間関係の範疇を超え、大国の駆け引きのレベルまで上がっている。フィリピンは徐々に脇役になっており、米日が南中国海問題で中国に圧力をかける主役になっている。中国が今後迎える敵はフィリピンではなく、米国と日本だ。中国が裁決に対してどのような実質的反応を示すかは、ドゥテルテ政権が「挑発しない」「ソフトランディングする」という約束を守るか否かとその後の動き、さらには米国や日本の反応にかかっている。

フィリピン前政権が一方的に仲裁を申し立てた目的は、中国との係争解決でも、南中国海の平和と安定の維持でもなく、中国の南中国海における領土主権と海洋権益を否定することだ。しかし仲裁結果は、中国の南中国海における主権と権益にわずかな影響も及ぼさない。

南中国海問題の被害者である中国には、同問題で譲歩・妥協する余地はない。仲裁裁判所の裁決は一枚の紙くずにすぎず、当事国の直接的な対話と協議により関連係争を適切に解決できることを、歴史は最終的に証明することだろう。フィリピン新政権は中国との緊張関係を緩和させ、南中国海の資源を共有したければ、誠意を見せなければならない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月15日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。