写真は、米国の次世代原子力空母「ジェラルド・R・フォード」号(CVN-78)
建造費約129億米ドルの米軍最新の空母「ジェラルド・R・フォード」号(CVN-78)が、米国防総省の運用評価で、依然として実戦配備できる状態ではないと指摘された。
同空母は米国でこれまでに最も高価な軍艦とされており、2014年9月に引き渡しの予定だったが、度々延期されている。米CNNは25日、同空母の引き渡しは2017年までずれ込む可能性があると報じた。
■多くの問題
海外メディアによると、米国防総省のマイケル・ギルモア運用試験・評価局長は6月28日の報告書で、4つの艦載用システムに不具合があると指摘した。具体的には、空母甲板での航空機の離着陸、武器供給システム、航空交通管制の問題、空母防衛システムに問題があるという。
「この4つのシステムが実戦配備の主要領域に影響する」。ギルモア局長は、ペンタゴンと米海軍の武器購入を担当するフランク・ケンドール氏、ショーン・スタークリー氏への報告書で「これらの問題が解決されなければ、ジェラルド・R・フォードの実戦配備の可能性は非常に制限されるだろう」と指摘した。
ギルモア局長は、同空母は高高度飛行の戦闘に関わる可能性は低いが、空母の離着陸システムは設計をやり直す必要があるかもしれないと予想。このため、メディアでは、空母の引き渡しがさらに延期されるとの見方が広がっている。
CVN-78はジェラルド・R・フォード級航空母艦の一番艦で、ここ40年で米国が新たに設計した初めての空母。空母の排水量は約10万トン、F-35Cステルス戦闘機を搭載し、リニアモーターによって航空母艦から固定翼機を発射する電磁カタパルトなどの新型システムを装備する。
16年6月時点での、空母建造の進捗率は98%、テストは88%が完了している。