英国人中国問題専門家ディック・ウィルソン『1935年の長征』
『1935年の長征』は、英国の中国問題専門家ディック・ウィルソンが中国工農紅軍の長征を記録した学術書である。ディック・ウィルソンは同書で、歴史性・伝説性・象徴性という3つの方面から、中国の工農紅軍の長征を「百科事典式」に解説・紹介した。
ディック・ウィルソンの同書は、各章の総括という手法を通じて、「長征は生存の史詩であった」というテーマを際立たせている。ウィルソンは、自らの記録した物語を「革命精神派」の代表とし、「長征は中国人民にとって重要な精神の宝である」と繰り返し強調した。ウィルソンはさらに、人類の精神の模範という角度から評価し、「長征はすでに、各大陸において、決意と意志さえあれば人類は自らの目的に到達できることのシンボルとなっている」と記した。
ディック・ウィルソンは、中国の現実と結びつけながら紅軍の長征史を系統的に研究した西側で最初の学者である。ウィルソンの同書における長征の記述と深い分析は歴史的な古典となっている。今日に至るまで、長征問題を研究する国内外の多くの学者が同書を引用対象としている。