王暁輝・中国網編集長
中国にとっても世界にとっても、2016年は穏やかならざる一年だった。米大統領選、英国のEU離脱、中国とフィリピンの南中国海の係争、米韓のTHAAD配備、地域的な衝突の激化、テロの多発。これらは国際政治・安全の不確定性を大きく高め、中国の外交に大きな課題をもたらした。中国外交部の王毅部長の言葉を借りるならば、2016年の世界は「変」と「乱」と言える。
回顧
一 中米関係がほぼ安定し、2017年は不確定性が高まる
2016年の中米間には、争いがあれば協力もあり、ほぼ安定的な関係を維持したと言える。中米両国首脳は会談を通じ、信頼を強化し疑問を払拭する戦略的な意思疎通を続け、両国関係を正確な軌道上で発展させた。当然ながら両国間の構造的な食い違い、戦略的な猜疑も客観的に存在している。さらに地政学、領土安全、経済の利益といった具体的な問題をめぐり、両国間には非常に大きな食い違いと対立が存在する。最も典型的な例は、中国とフィリピンの南中国海の係争における米国という黒幕、韓国でのTHAAD配備だ。
トランプ氏は大統領に当選すると、懸念される兆しを見せている。この次期大統領は12月2日、台湾地区の指導者である蔡英文氏と電話会談した。トランプ氏本人とホワイトハウス報道官はその後、説明と補足を行ったが、本件は中米関係に暗い影を落とした。中米の国交樹立後の37年間で初の出来事だったからだ。トランプ氏はその後、閣僚の指名を開始した。一部の指名された人物の、これまでの中国に対する態度を見ると、今後の中米関係はホワイトハウス内部からの圧力を受けることになりそうだ。