国連拷問禁止委員会は12日、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、被害者の名誉回復や賠償の提供をしていないとし、「見直すべきだ」とする報告を出した。
報告は、「慰安婦」を第二次世界大戦中の「性奴隷」とした。国連拷問禁止委員会は日韓合意を歓迎したが、被害者はこの合意から真相や再発しないという保証を含む救済や補償を得られないと指摘し、「見直すべきだ」と主張した。
日本軍は第二次世界大戦中に韓国や中国などから「慰安婦」を強制連行した。1993年8月4日、日本の当時の河野洋平官房長官は「河野談話」を発表し、日本の慰安婦」強制連行を認め、謝罪した。
韓国は日本政府に対し、「慰安婦」被害者への正式な謝罪と賠償を求めてきたが、日本側は1965年に日韓国交正常化で締結された『日韓基本条約』に照らし合わせると「慰安婦」問題はすでに解決されたと主張している。
2015年12月、韓国の当時の尹炳世外交部長官は日本の岸田文雄外務大臣とソウルで会談し、「慰安婦」問題の合意に達したと発表。日本側が「慰謝料」として10億円を拠出するという内容だったが、日本政府は「慰安婦」問題において法的責任を担うことを拒み、「賠償金」の提供も拒否した。
この政府間の合意に対し、韓国の民間は強く反発した。日本の『産経新聞』によると、今年3月、韓国の63の民間団体は、韓国政府は「慰安婦」被害者の要求を無視し、日本と合意し「慰安婦」被害者に「慰謝料」を受け取るよう促し、「被害者に精神的な苦痛を与えた」と批判した。
韓国の文在寅新大統領は選挙期間中に「慰安婦」交渉に対し否定的な姿勢を示し、当選後に「慰安婦」被害者を含む国民に受け入れられるまで交渉を続けると表明した。また、日本政府は法的責任を認め、正式に謝罪すべきだと主張した。大統領就任後、文在寅氏は日本の安倍首相と電話会談を行い、この「慰安婦」交渉は多くの韓国国民に受け入れられていないと述べた。
日本の共同通信社は、国連拷問禁止委員会の報告に法的拘束力はないが、文在寅氏率いる韓国新政府は日本側に交渉再開を申し出るだろうと論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年5月15日