圧倒的多数の中国人は、米国が平和のため南中国海を訪れたわけではなく、地政学の駆け引きをし、中国に厄介事をこしらえるため来たことを深く信じている。そのため「南中国海版盧溝橋事件」の警鐘が鳴らされると、それが適切だと感じる人がいる。
米海軍に対しては、行方不明者の捜索が中国の南中国海における主権と権益を損ねるべきではなく、この捜索により中国側の安全を脅かすべきではないと注意を促す必要がある。中国側の人道支援や、捜索救助への協力を必要としているならば、両軍の正常なルートを通じて連絡するべきだ。米国側は本件により、米国の腹黒い戦略的意図への懸念を強めるべきではない。
南中国海情勢は全体的に見て沈静化に向かっている。南中国海行為準則枠組みをめぐる交渉にも進展があった。中国とフィリピンは友好を取り戻し、中国とベトナムは摩擦を平和的に解決する力を示している。現在の南中国海情勢の不確定性のほぼすべてが、域外国からの干渉によるものだ。米国はこの戦略的不安の源だ。
行方不明者が無事見つかることを祈る。見つからなくても、南中国海の安定に影響を及ぼさないことを願う。トランプ大統領は上半期、米海軍の南中国海における「航行の自由作戦」に関するプランを批准した。米軍当局者は今後、巡航の手続きが簡略化される。軍側の自主的な裁量権が事実上拡大された。言い換えるならば、米海軍は中米関係に影響を及ぼす、より大きな権力を手にした。
権力が大きければ、責任も重大になる。米海軍からは当時の日本の関東軍、あるいは華北地方に駐留した日本軍の過激な軍人のように、中米関係を対抗に導く人物が出るだろうか。このような憶測は馬鹿げており、米軍は当時の日本軍の役割など歯牙にもかけないことが証明されると良いのだが。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月3日