米海軍によると、駆逐艦「ステザム」の兵士1人が火曜日午前9時、南中国海で行方不明になったと報告された。ステザムは当時、フィリピンのスービック湾から西に約140マイル(約225キロ)離れていた。米国と日本の艦艇・航空機が捜索に加わった。環球網が伝えた。
ステザムは先月2日、西沙諸島の中建島から12カイリ内に進入し、いわゆる航行の自由を宣言した。中国側は当時、これに抗議した。さらにそれより先に、ステザムは2015年11月に上海を訪問していた。
この情報が伝わると、多くのネットユーザーは直ちに1937年7月7日の盧溝橋事件を思い出した。日本軍は当時、盧溝橋付近で行方不明の兵士を探すことを口実としたが、断られると中国軍に攻撃を仕掛けた。これは日本人の盧溝橋事件の手法ではないか、新しい盧溝橋事件ではないかと警戒する人もいる。
客観的に見ると、今日は1937年ではなく、現在の中国と海外のパワーバランス、地政学的情勢、時代の流れはまったく異なっている。南中国海は臨戦態勢になるほど緊張化しておらず、米日も中国と戦争をする決意を下していない。そのため本件が衝撃的な南中国海事件の序曲になる可能性は極めて低い。
今年6月、米軍巡航ミサイル巡洋艦「シャイロー」の兵士が沖縄付近で行方不明になった。米軍は本腰を入れ、艦艇と航空機を使い同時に2日間の捜索活動を行った。この兵士は3日後、艦内のタービン室に隠れているのを発見された。兵士は目がうつろで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症している疑いがあった。ステザムの今回の行方不明も、同じようなケースであることを否定できない。
しかし中国のネットユーザーがこのように警戒することには深い原因があるため、米国側はこの動向に注意する必要がある。中米関係の実情に詳しくないネットユーザーの間で、歴史の連想が広まっている。さらに重要なことは、米国の外交のイメージが中国で低下を続けており、軍国主義の日本と同列に論じてもそれほど違和感がないことだ。