改革開放以降、中国は高度成長を維持し、経済規模で世界2位に飛躍した。製造業の規模は世界一になった。中国は世界の発展の歴史における、経済の奇跡を創り出した。
人々は中国経済の謎を解き明かそうとすると同時に、別の「奇跡」と呼ばれる現象に関心を寄せている。中国経済が高度発展・モデルチェンジするなか、社会も全体的な安定を長期的に維持している。
米国の政治学者、ハンティントンはかつて「現代化の成長と安定、現代化には混乱が伴う」という理論を唱えた。中国共産党に率いられ、社会と経済が急速にモデルチェンジする中国は、発展と安定の調和と相互作用をいかにして実現したのだろうか。
パイを拡大、発展こそが真理
リオデジャネイロ州立大学国際関係学部長のマウリシオ・サンドロ氏は「経済発展は社会の安定の重要な要素だ。国民の物的需要、福利厚生の要求が拡大し、より良い教育機会と雇用が必要になる。中国は持続的な発展により、経済でこれを力強く支えた」と指摘した。
中国はこの5年間に渡り、世界経済低迷の圧力に直面したが、10兆ドル以上の経済規模での中高速成長を実現した。世界経済への寄与度は平均30%前後に達し、米国、ユーロ圏、日本の合計を上回った。
パイを分配、国民生活が重要に
カイロ大学アジア問題専門家は「一部の国は経済の急速なモデルチェンジにおいて、政策の失敗により一部の人が暴利をむさぼり、多くの人の利益が損なわれるという現象を引き起こしている。中国共産党は国民を中心とし、徐々に前進するという改革方針に従い、社会の発展の成果を国民に共有させている。少数の利益集団や強い階層による独占を許していない」と分析した。
最新のデータは、国民の訴えに応える中国共産党の大きな成果を示している。2013-16年に渡り、中国人の可処分所得の年平均成長率は実質7.4%に達し、都市部新規雇用者数は4年連続で1300万人以上を維持し、農村部の貧困人口は年平均1400万人弱減少した。
サンドロ氏は「中国は教育や医療など重要公共福利の保証で力強く政策を推進した。国民は変革のなか利益を手にした。地域や階層によって豊かになる時期に差があるが、全国民の基本的な生活の質が向上し、社会階級の分極化が生じていない」と話した。
力強い政権与党
シンガポール国立大学東アジア研究所長の鄭永年氏は「米国や欧州、さらに一部のアジア諸国で社会・経済問題が生じている。これは各国が問題の所在や解決策を知らないというわけではなく、政治の主体、効果的な政府がないと言える」と指摘した。
中国を見ると、経済の高度発展により社会のモデルチェンジが生じ、社会構造と利益の訴求が多元化している。中国共産党は「最も多くの国民の根本的な利益を代表」という位置付けにより、各方面の利益をより効果的に調整し、社会を団結させる「最大公約数」を見出すことができる。
中国は近年、脱貧困や汚職撲滅で大きな成果を手にしている。鄭氏は「これができたのは、中国経済の基盤が良好であるほか、中国共産党という政権運営の支柱としての存在がより重要だった」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月17日