合力の形成
ここ20年、「アルカイダ」や「イスラム国」が国際政治において引き起こした荒波は、いかなる人もいかなる国も中東の激動の部外者であることはできないことを示している。筆者は、全世界の平和を愛する勢力が今こそ力を合わせ、米国に正しい選択をさせなければならないと考える。世界的に見れば、反対勢力は絶対的な優勢を占めており、米国内でも反対者が多数を占め、イスラエル国内も大きく分裂している。だがもしも国際社会の勢力がばらばらで、合力を形成できなければ、米国政府に対して有效な圧力を形成することはできない。
パレスチナ政府やアラブ諸国、欧州、ロシアなどはいずれも米国の牽制を望んでいるが、単独で極端な措置を取ることもできず、国際社会は「集合行為のジレンマ」に陥っている。もしも関係各者の間で有效なコミュニケーションと積極的な連携ができれば、より良い結果を期待することができる。国際メカニズムは、「集合行為のジレンマ」を解決する有效な手段となる。国連安全保障理事会で8日、15理事国のうち米国を除く14カ国が共同で米国を非難したことは、その発端を開くものとなった。
米国政府の决定に対する国際社会の非難は、イスラエルがエルサレム全体を支配しているという地上の現実を変えるものではなく、実質的な意義を持たないものともみえる。だが過去10年でパレスチナ・イスラエル問題の性質には変化が生じ、近距離での実際の戦闘から遠距離での道義的な駆け引きへと転換している。パレスチナ・イスラエル問題をめぐる国際社会の闘争は実際には、道義的な優位や合法性をめぐる争いとなっており、象徴的な成果が実質的な意義を持つものとなる。このため力を合わせて巨大な圧力を形成してこそ、米国を間違った道から引き返させ、パレスチナとイスラエルの和平の最後の望みをつなぐことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月17日