2018年の中間選挙が、米国の政治の「トランプ化」を調べる中間試験だとするならば、2020年の大統領選は期末試験だ。トランプ氏は米国の歴史上、再選へ向け最も早く準備を進めている大統領の一人だ。常に臨戦態勢という政権運営方針と関連政策(監督管理の緩和と保護貿易による鉄鋼・石炭・自動車などの伝統産業の振興)は、2016年の大統領選で自身をホワイトハウスに送り込んだ中西部の「ラストベルト」の有権者に的を絞っている。トランプ氏の不法移民への強硬な態度、合法的な移民の数を減らす立法の努力などは、白人労働者と中産階級の雇用と福利厚生の保護を出発点としている。米国の「赤い州・青い州」という政治傾向がほぼ変わらぬなか、勢力が拮抗している州を手にするものが天下を制し、「ラストベルト」を手にするものが天下を制する。
米国の政治史を振り返ると、両党の価値観には周期的な変化が生じている。有権者も分断と再編を繰り返している。トランプ氏がグローバル化と自由貿易を逆転させ、「ラストベルト」の白人労働者がより断固として民主党から共和党に傾倒し、トランプ氏を再選させたならば、米国では新たな政党再編が生じる。米国政治の「トランプ化」がより徹底的になる。トランプ氏は移民、銃規制、中絶などの議題で保守的な政策を打ち出し強い反発を生んだが、オバマ政権時代の社会の左傾化を覆した。移民への強硬な態度が米国の主流の民意になれば、米国社会も「トランプ化」したことになる。
中間選挙の結果がどうあれ、今後2年に渡り両党と有権者の争いがさらに激化する。「米国が米国に反対」という構図がより明確になる。トランプ氏の極端な政策は民主党の団結を強め、反トランプ勢力を集めている。民主党が2020年の大統領選で有力な候補者を擁立し、有権者に上手く動員をかけ投票率を高めることができれば、「青の波」を立てトランプ氏の再選を阻むことができるだろう。女性の有権者は近年、トランプ氏の女性軽視の発言に不満を募らせており、より大きな政治的影響力を発揮しようとしている。彼女たちの未来の政治傾向は、米国の政治・社会の動向を左右する鍵になるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月28日